南房総の大自然


2024年11月11日(月)、南房総市にある大房岬自然公園にて行われた、ヘルスツーリズムに行ってまいりました!
大房岬自然公園は、南房総国定公園の中にあり、キャンプ場やホテル、自然の家、展望台や芝生園地などが揃った47.5ヘクタールの緑に囲まれた公園です。
黒船襲来の時代から、太平洋戦争まで要塞として使われてきた歴史もありました。
本日は、ここで『癒しの森のセラピーウォーキング』に参加します!
到着~ロコモチェック~準備体操
集合場所であるレストハウスに9:00に到着。
この日は、朝からあいにくの雨模様でしたが、到着時に雨は上がりました。
今回、我々を案内してくださる、ガイドの『わさ』さんこと牧田 和紗さんとご挨拶し、本日の流れを確認しました。

その後、以前弊社でも社内で行ったロコモチェックを行いました!



参加者は三者三様、がんばってチェックしました!
最高記録の10cmの台を片足で立ち上がれたメンバーもおり、自身の筋力の状態を再確認できました。
次に握力の測定です!



測った後は、年齢と握力の平均値一覧表を見ながら、軽くディスカッションしました。
その後、準備運動をして、いざ出発です!!

森林の遊歩道を散策



まずは、森林の遊歩道をガイドのわささんに案内していただきました。
途中、石が埋め込まれている階段を下りましたが、これは『あえて不安定なバランスの石の上に立つ事で、身体がバランスを取ろうとする』事を利用したトレーニングになるそうです。
何気ない散策の中にも、精神的な爽快感だけでなく、しっかりと肉体的にも負荷をかけられるようになっています!
と、そんな中、わささんからクイズが。
大房岬自然公園にたくさん生えている、シイ科の樹木『マテバシイ』。


これは自然に生えているものではなく、とある目的をもって人工的に植樹されたものらしいのですが、その『とある目的』とは一体なんでしょう?
答えは3つあります。
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正解は、
①木炭としての用途
②戦時中、要塞があった事から、上空からの目隠しとしての役割
③かつてこの地域は海苔の養殖が盛んで、その海苔の養殖のための”木ヒビ”(海苔を付着させるために海中に立てた枝付きの木のこと)としての利用
でした!
こういった樹木が海苔の養殖に使われていたなんて、とてもおもしろいですね!
海岸園地~タラソテラピー~万華鏡作り~座観
雨上がりの清々しい空気の中、森林の遊歩道を抜けると開けた場所に出ました。



眼前に広がる広大な太平洋に圧倒されながらも、次に行うのは砂浜での“タラソテラピー“です。
タラソテラピーとは『海のさまざまな資源を活用して、自己治癒力を高める自然療法』のことで、ヨーロッパでは古くから治療やリハビリ、リラクゼーションに用いられているそうです。
今回は、砂浜を素足で歩く事により、陸地と波打ち際の温度差を利用して血行を良くするという目的で行われました。
早速、砂浜に降りていきます。
さらに今回は、楽しみながらタラソテラピーを行っていくため、砂浜で貝殻を拾い、万華鏡の制作を行うことに!



最初は冷たかった波も、夢中で貝殻を集めているうちに段々と温かく感じられるようになり、陸地と波打ち際の砂浜の温度の差もはっきり感じられるようになりました。
15分ほどタラソテラピー&貝殻拾いを行い、東屋に移動。
各自、拾ってきた貝殻や、わささんがご用意してくださった色とりどりのプラスチック片(これらも海岸から拾い集められたそうです)を使い、オリジナルの万華鏡を作りました!



三人とも、オリジナリティ溢れるものが出来上がりました!
さて、ここらで少し一休み。
南房総市の名産品である『びわ』を使用した『びわどら焼き』をいただきました!

程よい甘さで、とても美味しゅうございました。
さぁ、お次は“座観“の時間です。
座観とは、森林セラピーのプログラムの一つで、森の中で静かに座り、頭を空っぽにして深呼吸をして過ごす事です。
日々の忙しさや喧噪を束の間忘れ、波の音、頬に当たる潮風、鳥の鳴き声、磯の香りなど、自然の全てを五感で感じ、ゆったりとリラックスしていきます。

普段意識しない自然の音や匂いが鮮明に感じられ、時間を忘れる体験でした。
この後、遊歩道に戻り散策を再開しますが、戻る際の上り階段でもちょっとしたトレーニング。
『階段を、39段登ったら一休みする』という『39』登りで戻ります。
39段というのが、身体にかかる負担が大きすぎず小さすぎず、ちょうど良いバランスとの事です。
日常生活でも取り入れていきたいですね!
モーリー池~湧水池
タラソテラピーから戻り、散策再開です。

血行も良くなり、足取りも軽く歩いていると、池に着きました。


こちらの池は『モーリー池』という池で、繁殖時季になるとモリアオガエルとオオサンショウウオがたくさん見られるそうです。
残念ながら本日は、季節がズレていたのと、雨上がりという事もあり、モリアオガエルやオオサンショウウオの姿は見えませんでした。が、それでも池の水がとても綺麗な事はわかりました。
晴れていれば、完全に澄みきった水が見られるとのこと。
別の季節に、快晴の日を選んでまた訪れたいものです。
さて、池を後にし、さらに進んでいくと、湧水が流れるポイントに到着しました。


ここは湧水池といって、地形と地質の関係で常に湧水が流れている地とのこと。
流れる水も、非常に澄んでいて綺麗です。
さぁ、ここでも森林セラピーです!
今回は”音”を感じます。
ここで立ち止まり、目を瞑って耳を澄ませます。
パシャパシャという水音、チチチ…と囀る鳥の声、ざざざ…と風に揺れる葉の音……
「ヒトは、自然の中で生きている」という事を実感できる時間でした。
湧水地を通り過ぎ、しばらく歩いていくと、森に似つかわしくない物々しい文言が目に飛び込んできました。

要塞跡地発電所施設。
そう。冒頭でも触れましたが、ここ大房岬自然公園は、1928年~1945年まで旧日本陸軍が要塞として使用していた地でした。

終戦後、取り壊そうと試みられたようなのですが、密度の高いコンクリート製で堅牢な造りの要塞を破壊するのは容易ではなく、主要な設備や構造だけを取り壊して、跡地は2001年に文化財に指定されたとのことです。
これから、その要塞跡地に向かいます。
要塞跡地
さて、要塞跡地発電所施設から少し先、遊歩道を逸れた所に、要塞の入口がありました。


得も言われぬ雰囲気の入口に入ると、奥に部屋として使われていたであろう空間が。


そして、更にその先にどこかへ繋がる通路がありました。
中は狭く、長く、奥へと続いています。


そして辿り着いた先には、このような空間が広がっていました。



縦2m×横3mほど、高さ5,6mほどのこの空間は、戦時中に東京湾(に停泊している軍艦)を照らすサーチライトの格納庫だったようです。
この南房総の要塞と、東京湾を挟んだ向こう側の神奈川県にも同じような施設があり、二方向から東京湾を照らしていたとか。
およそ10km遠方まで照らす事が可能でしたが、使用されていたフィラメントが竹で出来ていたため10分程度で燃え尽きてしまい、その度にライトを降ろして交換する…という作業を一晩中繰り返していたそうです。
80年ほど前に、そういった事がここで行われていたかと思うと、不思議な気持ちになりました。
この格納庫の壁も、非常に高密度のコンクリートで出来ていて、ここが『要塞』という事を強く感じさせます。


長い年月が経ってもヒビ一つ入っておらず、当時のまま今に伝えられている事に感銘を受けました。
さて、格納庫から入口に戻ってきたところで、わささんからクイズが出題されました!
先ほどの格納庫入口の画像…

よく見ると、前面上部にポツポツと出っ張り・デコボコがありますが、これは一体なんのために付けられたものでしょうか?
自然とそうなった訳ではなく、ある意図をもって意識的に付けられたようです。
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正解は、なんと『オシャレのため(装飾)』だそうです!
この出っ張りには、特に軍事的目的や戦略的目的がある訳ではなく、こういった要塞や基地などにこのような出っ張りを付けるのが当時の流行だったようで…
東京湾を挟んだ向こう側の、神奈川の同じような施設にもこの出っ張りがあるとのことでした。
時代が変われば流行も変わる、ましてや戦時中という激動の時代では、こういった装飾も楽しみの一つだったのかもしれませんね。
ハンモック体験
要塞跡を出発し、公園内を北上していきます。

大房岬自然公園には、キャンプ場が二か所あり、シーズンには人で賑わうそうです。
キャンプファイヤーが出来る設備もありました。
さぁ、そして次に辿り着いたのは展望台がそびえる開けた空間。

ここは桜の木が密集しており、今回の『癒しの森のセラピーウォーキング』の目玉の一つ、ハンモックを体験します!
ハンモックは、よく映画などで描写されるような網のものではなく、パラシュートの生地で作られた携帯出来るタイプのものでした。
ベルトを桜の木の幹に縛り(ちなみに幹の太さですが、ハンモックに寝る人の腕の太さ以上であれば、体重を支える事が出来るそうです。)、ピンと張って吊るして完成です!
乗る時は、一度座り…

そのまま身体を横にして…

滑り込ませます!

このように、スッポリと身体が覆われ、思った以上に安定して横になれました!
そのまま、ハンモックで揺られながら15分ほど、リラックスします。


ハンモックの心地よい揺れと、覆われている事で意外にも中は暖かく、本当に眠りそうになるくらいリラックス出来ました。
また、少し覆われている生地を開けると、ヒンヤリとした風が顔に当たり、格別の気持ちよさでした。
ゆったりと時間が流れ、あっという間に15分が経ち、ハンモック体験は終了!
とても良い体験をさせていただきました!
ハンモックを片付けたら、最後に展望台へ登ります!
展望台
さぁ、いよいよ『癒しの森のセラピーウォーキング』も大詰めです。
最後は展望台からの眺めを堪能します!

こちらの展望台、高さはビルの3Fくらいとの事で、木々の上から周囲を360°見渡せます。



この日はあいにくの空模様でしたが、それでも感嘆のため息が出る光景に出会えました。
ちなみに、この展望台は夜も開放されているようで、快晴の夜は360°一面、満天の星が見られるそうです。
また、初日の出の見物スポットしても人気があるとのこと。
確かに、ここからの眺めは最高だと思います!
なお、この展望台がある場所は、先述した通り桜の木がたくさん生えています。
桜の季節には、圧巻の光景が見られるそうです…!
ぜひとも、桜が咲く季節に再訪したいものです!
セラピーウォーキング終了!
展望台を降り、遊歩道を歩いて朝に集合したレストハウス前に戻ってきました!
駐車場で、疲れを残さないためのストレッチをして、無事に『癒しの森セラピーウォーキング』は終了となりました。
今日一日お付き合いくださった、ガイドのわささんにお礼を申し上げ、最後に参加したメンバーでパシャリ!

ありがとうございました!
ヘルスツーリズム『癒しの森のセラピーウォーキング』総括
弊社初となるヘルスツーリズムでしたが、非常に楽しく有意義なものでした!
日常の業務では中々味わえない、自然の光景・音・光・匂い・感触を存分に体験し、新しい刺激を感じられました。
「明日からまた頑張ろう」
そう思える活力を得られたというのは、非常に大きな収穫だと思います。
ゆったりとした時間の中で、心身共にリフレッシュして日常に帰っていく――
健康経営という観点から見ても、”人間”の生活の在り方としての観点から見ても、この取り組みは大切だと感じました。
今回、スケジュールの都合で参加できなかったメンバーも、次回は一緒に行くことが出来ればと思います。
この大房岬自然公園は、四季折々で色々な顔を見せてくれるに違いありません。
そして、次回も新たな発見がある事でしょう。
参加するのが、今から楽しみです。
今回のヘルスツーリズムの記事は以上となります。
ご閲覧いただき、ありがとうございました!